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最近、話題のFIRE(経済的に自立して早期退職)。僕は両親が55歳でFIREしているため、昔から興味がありました。そこで、ダイヤモンドザイで13人の事例が紹介されていたので、私の知見を交えながらまとめていきたいと思います。気になる「資産を増やした方法」、「貯金額」、「退職後の生活」等について見ていきます。
【1人目】家・車・保険を節約しFIRE
【名前・家族】Ranpaさん(40代)・妻(無職)のみ
【退職時の年齢・金融資産】45歳・1憶1200万円
【現在の月間収支】収入:22万円、支出21万円
ボーナスには手を付けない
45歳で1憶円を築かれたRanpaさん。会社員時代は、収入が増えても支出は変えなかったそう。資産を築いた主な方法としては、家・車・保険の3大固定費を抑えていたことが大きいようだ(家は社宅、車はフィット、保険は未加入)。また、給与水準は高かった(退職時月収45万円)ようですが、支出は25万円で一定だったそう。それ以外は、貯金や投資に回し、さらにボーナスも蓄財に回していたようです。40代では年間700万円貯蓄されていたそう。収入が高い方には参考になる生活ぶりですね。
資産内訳・リタイア後の収支
資産の内訳としては社債が多かったようです。しかし、コロナショック後は割安になったリートにシフトし、現在は配当収入だけで月20万円あるようです。状況によって資産の内訳をシフトさせる柔軟性は参考にするべきですね。
リタイア後の生活
リタイア直後は、仕事や同僚のことが気になっていたようですが、現在はストレスフリーな生活を送られているようです。社宅で暮らされていたので、家のことが気になりましたが、郊外に1,400万円で購入されたそう(安いですね)。サラリーマンに戻りたいと思うことは全くないようです(笑)
【2人目】自炊中心で支出を切り詰めてFIRE
【名前・家族】セルイさん(50代)・妻(有職)のみ
【退職時の年齢・金融資産】50歳・5,000万円超
【現在の月間収支】収入:ー、支出10〜11万円
自炊中心の節約生活で貯蓄
30歳頃から自炊をするなどして生活の支出を見直し、37歳の時点で2,000万円を貯蓄。また、大きな固定費である家についても、会社の家賃補助制度で削減できていたそう。やはり、FIREをされた方の共通点としては、家賃補助や社宅制度等の福利厚生をうまく使われている点が印象的です。
財布は別会計(一定額を毎月家計に)
財布は別会計で、夫婦でお互い一定額を共通の財布に入れ、残りは各自でそれぞれ管理しているそう。始めのところで、「妻(有職)」というのが気になっていましたが、旦那さんが自らの財布でFIREされたということなのですね。ご結婚が40歳頃だったようですので、近い生活設計の方には大いに参考になる例かと思います。
投資はせず貯蓄のみ
はっきりとした記載はありませんでしたが、FIREに対するセルイさんの色々な計算を見る限り、投資はせず貯蓄のみでFIREされています。自分の支出額と年金受給から、いくらあればFIREできるかを徹底的に計算されていました。なお、やはり貯蓄のみのデメリットなのか、セルイさんは30代でのFIREは難しいと感じ、50歳でのFIREを目指していらしたとのことでした。
【3人目】32歳にして積立投資でFIRE
【名前・家族】金村圭介さん(30代)・独身
【退職時の年齢・金融資産】32歳・4,200万円
【現在の月間収支】収入:9万円、支出:10万円
積立投資で資産形成
公務員をされていた金村さんは、かなりの節約家で、1年目の頃から年間200万円貯蓄されています。2年目からはインデックス投資を始められ、順調に資産を増やされたそうです。毎月10万円、ボーナスからは30万円投資に回されていたようで、資産形成スピードが早いのも頷けます。
短期バイトで生活費を補填
リタイア後は、夢だったという札幌に移住され、自由に暮らされているそうです。また、短期バイトやブログの執筆で月数万円の稼ぎがあるようで、旅行先でバイトをされることもあるようです。いわゆるセミリタイアというものです。なんだか楽しそうですね。
完全なFIREに向け積立投資継続中
投資は続けつつ、年金の受給が始まれば完全リタイアできるように計画中のよう。
【4人目】国家公務員でFIRE
【名前・家族】lunaさん(50代)・独身
【退職時の年齢・金融資産】48歳・7,000万円
【現在の月間収支】収入:5,000円、支出:10万円
50歳でFIREを目標に貯蓄
全国を転々とする国家公務員だったlunaさんは、官舎等の福利厚生を活かして生活費は毎月12〜13万円だったそう。このため、年間250〜300万円のペースで貯蓄が進み、50歳でのFIREを計画していました。しかし、48歳の時に体調不良となったことから、退職金も合わせると90歳までの生活費の目処がたったため、FIREを決断。
ちょっとした小遣い稼ぎは短期バイト(良さそうな仕事のみ)
現在は、それなりに娯楽を楽しみながら、たまに短期バイトもされているそう。既に生活費は賄えているため、良さそうな(楽な)仕事を選んで働いていらっしゃるそうです。具体的には、試験監督や、データ入力など。羨ましいですね。
FIRE後は自由で旅行も安く済む
FIRE後は、いつでも旅行に行ける状態なので、旅行のピーク時期を避けて、空いていてかつ安い時期に旅行が行けるため、国内、海外問わず旅行に出かけられているようです。
【5人目】役職定年制度導入を機にFIRE
【名前・家族】おけいどんさん(40代)・父と母(実家)
【退職時の年齢・金融資産】40代・約1憶円
【現在の月間収支】収入:23万円、支出:6~7万円
親と同居で生活費は少ない
親と同居のため、生活費がコンパクトで、20代から蓄財ペースは順調。39歳の時点で6,000万円の貯蓄があったよう。その頃からFIREを意識し始め、高配当株への投資を進めていかれました。
FIRE後はネット関連の副業と親の会社の手伝い
また、FIRE後も、ネット関連の仕事で月2〜3万円、親の経営する会社の仕事を手伝って、月10万円程の給与、さらには前述した高配当株投資は5,000万円までになり、年130万円の配当収入があるようです。
将来はシニアマンションに入居予定
将来は、さらに配当収入を増やして、配当で入居費を賄いながら、20万円程のシニアマンションに入居することが目標。
【6人目】世帯年収3,000円万円のFIRE
【名前・家族】ふくちゃんさん(40代)・夫(有職)
【退職時の年齢・金融資産】40代・約2憶円(目標)
【現在の月間収支】収入:90万円、支出:20万円
浪費癖を解消し貯蓄ペースがアップ(貯蓄率60%)
20代から年収800万円があったふくちゃんさん。圧倒的な高年収ですね。しかし、浪費癖があり、高級料理やブランド物に身を包み、貯蓄はそこまでなかった。しかし、現在のパートナーである旦那さん(倹約家)に出会ってから、生活を見直し、さらには、一時的に専業主婦となった際に生活費を改めて見直し、優良家計を築いた。
転職で年収を上げる
また、面白いのが、転職は投資だということ。ふくちゃんさんは、転職の度に年収をアップさせ、現在は2,000万円程の年収があるようだ。日本ではなかなか見慣れない考え方である。実際に働かれているのも外資系企業のようだ。
FIRE後は海外生活
これまで仕事一筋で頑張ってきたふくちゃんさん。FIRE後は年間500万円の生活費が確保できる見込みで、海外ボランティアや、数年間の海外生活を夢見ているという。
【7人目】全力投資のFIRE
【名前・家族】たぱぞうさん(40代)・妻(有職)子2人
【退職時の年齢・金融資産】40代・1憶数千万円
【現在の月間収支】収入:100万円、支出:100万円
米国株・ETFへの投資で資産12倍
ついに出ましたね。たぱぞうさんです。米国株の情報発信をされている有名なブロガーさんです。米国株・ETFへの積極的な投資で30歳から十数年で資産を12倍に増やされています。以前は日本株をメインに投資されていたそうですが、米国株メインに切り替えてから、より資産拡大スピードが早まったということです。なお、米国株の資産形成方法は、配当金ではなく売却益がメインなようです。また、太陽光発電へも投資されていて、こちら利回りも10%程度どかなり高いです。
リタイア後は好きな活動でお忙し(ブログ・勉強会・旅行)
リタイア後の方が忙しいとおっしゃっているほど、ブログ執筆、勉強会への参加、国内外への旅行にもよく行かれており、充実したリタイア生活を送られています。
今後は社会貢献も視野(国際貢献等)
今後は、国際ボランティアなどの社会貢献にも取り組んでいかれるようで、50歳になった時に再考するとのことでした。
【8人目】IPO投資でFIRE
【名前・家族】いちろーさん(40代)・娘1人
【退職時の年齢・金融資産】35歳・8,500万円
【現在の年間収支】収入:3,000万円、支出:1,000万円
勝率の高いIPOへの投資
IPO投資で資産拡大を図られ、証券会社の口座開設数は約100件で、ひたすら抽選に申し込まれているそう。リタイアのきっかけも、資産額では少し不安があったようですが、IPO投資での実績が自信になり、リタイアに踏み切れたそうです。
リタイア後もIPO投資で安定した利益を獲得
リタイア後もIPO投資は続けながら、手数料がかかるがリスクの小さいクロス取引も行い、株主優待を獲得し、生活をされているそう。また、リタイア後に寂しさを感じる人が多い中、いちろーさんは、リタイア仲間のLINEグループがあるためそういった感情はないとのこと。
娘にも株式投資を教えたい
18歳になった娘にも株式投資を教えたいといういつろーさん。1億円ほど渡して、みっちり教え込みたいという。
【9人目】FIRE準備期間わずか8年
【名前・家族】Wannyan07さん・妻(無職)
【退職時の年齢・金融資産】未定・2億円(目標)
【現在の月間収支】収入:50万円、支出:40万円
配当金で550万円
なんと8年の準備期間でFIREされたWannyan07さん。自営業だったため、老後の生活に不安を感じられており、配当金で老後資金を賄うために高配当株投資をスタート。その間、東日本大震災を経験したことでさらに資産形成への熱量が高まった。具体的な手法としては、高配当株に投資し、値上がりして利回りが下がったところで利益確定を確定を繰返して資産を築いた。
FIRE後は世界一周
【10人目】割安株・優待株投資でFIRE
【名前・家族】かんちさん(50代)・妻(無職)子2人
【退職時の年齢・金融資産】49歳・2億円
【現在の年間収支】収入:1,250万円、支出:1,000万円
割安株に注目
FIRE後は自由な時間を満喫
【11人目】GAFA等の米国株投資でFIRE
【名前・家族】九条さん(40代)・妻(有職)子2人
【退職時の年齢・金融資産】44歳・1億円台後半
【現在の月間収支】収入:60万円、支出:60万円
暴落時の買い増しで資産増
給料で足りない分は配当でカバー
棺桶リストにチャレンジ
人生でやりたいことリストを書き出し、一つずつクリアしているそう。
【12人目】イベント投資でFIRE
【名前・家族】まつのすけさん(30代)・なし
【退職時の年齢・金融資産】30代・1億円超
【現在の月間収支】収入:70万円、支出:60万円
イベント投資で資産急増
まつのすけさんは、投資界隈では知らない人はいない存在です。大手企業に勤めていたまつのすけさんは、40万円の元手で始められた投資ですが、はじめは一進一退の成績。しかし、イベント投資(優待の権利確定、自社株買い等)の手法がハマり、資産を大きく拡大されました。現在は、イベント投資のほか、勇退、配当収入で生活されています。
単身者のため、失敗してもなんとか生きていける
もし投資で稼げなくても、生活をダウンサイジングすればいいとのこと。単身者のメリットですね。生活費は、4分の1くらいまで切り詰めることができるそう。
書籍も参考に
まつのすけんさんのイベント投資は、私も特定銘柄で実施している投資法で、考え方は参考になる部分が多かったです。興味のある方は、書籍を出版されておりますので、一読されるのも良いかと思います。
【13人目】体調最優先でFIRE
【名前・家族】v-com2さん(40代)・妻(無職)子1人
【退職時の年齢・金融資産】40代・1億8,000万円
【現在の月間収支】収入:30万円、支出:23万円
優待株や昇格期待株で資産形成
年100~150万円の入金を続け、優待株や、昇格期待株、新興株に投資。成績が良かったのはRIZAPだそう。
病気が判明しFIREを決意
5,000万円ほどに資産が増えたころ、リタイアを意識し始めたそう。その時は、少し働きながらセミリタイアを視野に計画されたいたそうですが、病気が判明したことで、完全リタイアに切り替えたそう。それまで着実に資産を形成されていたことで、健康第一に考えてた判断ができたということです。
FIREは、不幸を遠ざけるもの
v-com2さんの考え方で印象的だったのは、「アーリーリタイアは、幸せを運んできてくれるものではなく、不幸を遠ざけてくれるもの」ということ。賛否あるかと思いますが、生き辛い世の中の中で、こうした考えをモチベーションにFIREを検討するのも良いかと思います。
FIRE事例まとめ
FIREの事例をみてきましたが、様々なスタイルがある中で、共通点が多かったように思えました。
①資金計画を立てる(具体的に)
②支出を見直す(or収入を増やす)
③投資を行う
かなりシンプルですが、これらを自ら検証し、実践し続けていくしかないのかと思います。私は、収入が少ないので、支出を切り詰めながら、投資を行い着実にFIREを目指して進んでいくしかないのだと思いました。
今回参考にした雑誌はダイヤモンドザイさんです。2020年10月号ですが、バックナンバーの販売がありました。私は、KINDLEで購入し、定期的に見返して、FIREのモチベーションを維持しています(笑)